23年前の凍結精子で子豚出産 人工授精の手法を改良
2002年11月25日
群馬県畜産試験場は25日、23年前に凍結した豚の精液を人工授精して、子豚を出産させることに成功したと発表した。20年以上前の凍結精液で豚の人工授精に成功したのは珍しいという。農水省は「品種改良に欠かせない優良種の長期保存が可能になった」と評価している。
同県によると、今年6月から7月にかけて雌5匹に人工授精し、うち2匹が10月に計19匹の子を産んだ。
従来の方法では、精子を子宮の入り口までしか送れなかったため、活性が落ちた冷凍精子では授精が難しかった。新たに開発された器具を使って受精に成功したという。
県によると技術が実用化されれば、種豚飼育を減らして経費を削減したり、伝染病被害を減らしたりできるという。
豚の精液は、牛より冷凍による劣化が激しい。人工繁殖のための冷凍技術は一部で実用化されているが、冷凍期間が長くなると、精子の活性が下がるため繁殖は難しいとされていた。
《朝日新聞社asahi.com 2002年11月25日より引用》