ヤギのウィルス性「難病」 国内初、19頭確認
長野の牧場
2002年08月30日
長野県佐久市の独立行政法人「家畜改良センター長野牧場」から、国内で初めてウイルス性の「山羊(やぎ)関節炎・脳脊髄(せきずい)炎」に感染したヤギ19頭が見つかったと、同県が29日、発表した。関節のはれや運動失調を引き起こすヤギの病気で、感染力は弱く、感染したヤギの乳や肉を食べても人へは感染しないという。同牧場では、飼育しているヤギの出荷を停止し、県や農水省と出荷先の追跡調査を始めた。
同県畜産課や牧場などによると、今年2月に脚を引きずっていたヤギ2頭が見つかった。茨城県つくば市の動物衛生研究所に30頭分の血清を送ったところ、今月22日に、19頭からウイルスの抗体陽性反応が確認された。うち6頭には、脚を引きずるなどの症状が出ているという。
「山羊関節炎・脳脊髄炎」は、ヤギが主に母乳を通して感染するウイルス性の病気で、欧米やオーストラリアなどで多発しているが、国内の感染例の報告はなかった。
感染すると、子ヤギは脳炎に伴う神経症状を起こし、成ヤギは関節炎から脚を引きずる症状が出る。感染力は弱いが、有効な予防や治療法は見つかっていないという。
《朝日新聞 2002年08月30日より引用》