E型肝炎ウイルス、豚から検出 東京都内の患者と遺伝子類似
2002年07月22日
10年余りの間に死者3人を出すなど、初の国内感染が疑われているE型肝炎ウイルス(HEV)の問題で、東京都内の患者から検出されたHEVとよく似た遺伝子構造を持つものが、国内の養豚場のブタから検出されていたことがわかった。自治医大の岡本宏明助教授らが、昨年末、専門誌に報告した。
岡本助教授らは、国内12カ所の養豚場のブタ計186頭から血液を採取して分析。3カ所の養豚場からそれぞれ1頭ずつ、HEVを持つブタが見つかった。すべて生後2~3カ月。
遺伝子を調べると、そのうちの1例は、00年に東芝病院(東京都品川区)に急性肝炎で入院した当時62歳の男性から見つかったHEVと似ていたという。
同病院の三代俊治研究部長によると、スペインや台湾でも、ヒトとブタの間で遺伝子構造の似たHEVが見つかっている。ヒトのHEVがブタ、ヒツジ、ネズミなどに感染することは実験で確かめられているが、逆に動物からヒトに感染する証拠はまだ無いという。
《朝日新聞 2002年07月22日より引用》