20020125

ホウレンソウの遺伝子、ブタに組み込み肉質改良 近大教授らが成功


2002年01月25日

ブタにホウレンソウの遺伝子を組み込み、肉の脂肪の組成を変えることに、近畿大学生物理工学部の入谷明教授、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所の村田紀夫教授たちのグループが成功した。遺伝子を導入したブタは繁殖も可能で、3代目も生まれている。植物から取り出した遺伝子を大型動物に入れて、目的通り働かせた報告は初めてだ。

導入したのは、健康に良いとされる不飽和脂肪酸、リノール酸の合成にかかわるFAD2遺伝子。多くの植物が持つが、哺乳(ほにゅう)類にはない。

グループはマウスでの基礎実験後、この遺伝子をブタの受精卵に注入、雌ブタの子宮に戻した。生まれたブタの肉質を調べたところ、うまく遺伝子が組み込まれた個体では、不飽和脂肪酸の割合が普通より約2割高かった。普通のブタと交配させ、3代目までこの遺伝子が伝わり、働くことも確かめた。特許申請も済ませ、24日公表した。

入谷教授は「これまで20頭ほどを育て、遺伝子導入による異常などは表れていない。安全性の確認を重ねながら、将来の実用化も考えていきたい」と話している。

 

《朝日新聞 2002年01月25日より引用》

 

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