北海道の牧場から「ほかに2頭、同年出荷」 狂牛病の疑い
2001年09月12日
狂牛病に感染した疑いのある乳牛が見つかった問題で、農水省は11日午後、この乳牛が北海道佐呂間町にあった牧場から千葉に引き取られたことを正式に発表した。牧場はすでに廃業しているが、その元酪農家は朝日新聞の取材に「問題の乳牛を売った年に、ほかに2頭を市場に出した」と話した。
元酪農家によると、酪農を始めたのは40年ほど前で、6年ほど前からは育成だけして年に5~10頭を出荷するようになった。昨年秋、2~3頭を売ったのが最後で酪農をやめている。
生後まもなく繁殖者から購入、成牛に育てて種付けし、妊娠(約9カ月間)の終盤に市場に出した。飼育期間は約2年。エサは、地元の農協を通じて買った育成用飼料と牧草、水しか与えていなかったといい、「こちらに病気を出す原因は一切ない。信じられない。同じ飼料で同じ条件で育てた牛は発病していない」と話している。
北海道酪農畜産課はこの牧場で97年に18頭の乳牛を飼育していたことを確認している。農水省によると、問題の乳牛は96年3月に生まれ、98年4月、千葉県白井市の牧場に引き取られた。千葉の牧場が買い入れたのは問題の1頭のみという。
《朝日新聞 2001年09月12日より引用》