「農業担い手不足」 県農政審で意見相次ぐ /青森県
2016年07月13日
来年度当初予算を見据え、農業・畜産業の政策を話し合う県農政審議会が12日、青森市内で開かれた。委員に選ばれた業界団体の幹部や大学教授ら有識者11人が出席。農業現場の労働力不足について危機感を持った意見が多く、県側も政策への反映を検討する意向を示した。
昨年の農林業センサスによると、県内の農業就業人口は6万4746人で、5年間で約20%減った。新たに就農した人は2014年度は296人いたが、始めたばかりは経営が不安定な場合が多いため、定着が課題になっている。
委員の1人は「後継者の確保が一番大事。有効求人倍率が1を超えたと言われるが、農業から他の仕事に人が流れてしまう」と指摘。別の委員も「リンゴの注文が入っても、労働力が足りず出荷の準備ができない農家もある」と話した。
環太平洋経済連携協定(TPP)に向けた米の生産基盤の強化や、県産ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」の競争力向上についても検討された。委員からは「青天の霹靂を販売する際、『たんぱく質含有率を減らすとなぜおいしくなるか』など、わかりやすく消費者に説明をしたほうがよい」との意見もあった。
審議会は三村申吾知事の諮問機関。年1回あり、会の議論を踏まえて県が具体的な政策を検討する。県農林水産部の油川潤一部長は「農業の担い手不足は待ったなしの状態と認識した。委員の意思をどう反映できるか検討したい」と話した。
《朝日新聞社asahi.com 2016年07月13日より抜粋》