「行き過ぎ」 日本の口蹄疫対策で欧州委が批判
2001年03月24日
【ストックホルム23日=冨永格】日本政府が口蹄疫(こうていえき)対策として、欧州連合(EU)の豚肉や畜産製品の輸入停止を決めたことに対し、欧州委員会は二十三日、日本との緊急協議を求めるなどEUに動揺が広がった。米国、カナダ、日本がEU産品の拒否で足並みをそろえたことで、欧州畜産界への経済的影響は深刻化しそうだ。
欧州委報道官は日本の措置について「伝染病による輸入禁止は、感染地域の関係産品に限るのが国際ルール。行き過ぎだ」と批判した。
日本の禁輸措置の影響が大きいのは、昨年二十万トン強の豚肉を日本に輸出したデンマークだ。日本にとっても総輸入のほぼ三割を占める。同国政府の畜産担当者は、朝日新聞の取材に対し「わが国はEUの感染四カ国から家畜を輸入しておらず、感染の危険はまったくない。日本政府の説得を急ぎたい」と語った。
二十三日にストックホルムで始まったEU首脳会議でも、口蹄疫と狂牛病の「ダブル畜産危機」が論議された。当面は感染拡大の防止と、農民への補償策に全力をあげる。
畜産関係者が困惑しているのは、火元の英国で感染がいまだに広がり続けていることだ。感染が確認された農場は毎日三、四十ずつも増え、二十二日には四百八十に達した。
《朝日新聞 2001年03月24日より引用》