20010314

仏家畜輸出、EUが禁止 口蹄疫対策


2001年03月14日

【ブリュッセル14日=冨永格】欧州連合(EU)は十三日、家畜の急性伝染病口蹄疫(こうていえき)への対策として、二十年ぶりに感染例が確認されたフランスからの家畜輸出を二週間禁止することを決めた。二月に英国で確認された口蹄疫は、EU最大の畜産国を巻き込んだことで欧州全域に広がる事態が懸念されている。

フランスからの輸出禁止対象は牛、豚、羊、ヤギ。口蹄疫が確認された北西部の県では、牛乳や畜産品の移動も当面見合わせる。仏で確認された症例は、英国から輸入した羊が感染源とみられるが、仏自身もイタリアやドイツなど周辺国に家畜を輸出しているため、EUの専門家は第三国への広がりに警戒を強めている。

十三日には米国とカナダがEU産の家畜・畜産品の輸入禁止を決め、日本の農水省も十四日、フランス産の豚肉、豚肉加工品の輸入を禁止するなど、口蹄疫の波紋は世界的な広がりを見せ始めた。EU各国や欧州委員会は、病気とは無関係の農産物に影響が及ばないよう冷静な対応を求めていく考えだ。EU経済への打撃が尾を引くのは確実だ。

 

《朝日新聞 2001年03月14日より引用》

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