霊長類で初、遺伝子組み換えサルが誕生 米グループ、クラゲ使う
2001年01月12日
蛍光たんぱく質をつくるクラゲの遺伝子を組み込んだサルを誕生させることに、米オレゴン霊長類研究所のグループが成功した。遺伝子組み換え動物はマウスや牛などでつくられているが、霊長類では初めて。十二日発行の米科学誌サイエンスに発表される。
人間の病気の原因になる遺伝子を組み込んだサルができれば、治療法を開発する際の実験動物に使えるとグループは指摘している。
グループは、遺伝子の運び屋としてウイルスを使い、クラゲの遺伝子をアカゲザルの未受精卵二百二十四個に入れた。それらを体外受精させ、できた四十個の受精卵を二十匹の代理母役のアカゲザルに戻した。
生まれたのは三匹で、うち一匹にクラゲの遺伝子が確認された。このサルはアンディと名づけられ、元気に遊んでいる。ただ、組み込まれた遺伝子の量が少ないためか、皮膚や毛が光ることはないという。
《朝日新聞 2001年01月12日より引用》