飼料用も輸出前検査 遺伝子組み換えトウモロコシ混入で日米合意
2000年11月08日
日本では食用、飼料用とも輸入が認められていない遺伝子組み換えトウモロコシ「スターリンク」が、日本国内の食材から検出されたと市民団体が指摘している問題で、日米両政府は日本に輸出される飼料用トウモロコシについて、船積みする前の段階でスターリンク混入がないかどうかを確認する検査体制を創設することで大筋合意した。食用トウモロコシについては日米両政府が七日、同様の対策を取ることで合意しているが、輸入量で食用の倍以上の飼料についても、チェック体制を整えることにした。(33面に関係記事)
関係者によると、農水省は、十月下旬に来日した米穀物検査局の担当者と協議し、輸出前の段階で両国がスターリンクの混入の有無を確認できる体制を確立する方向を確認。六日付で、在日米国大使館あてに船積み前検査を求める文書を正式に送り、現在、米大使館の担当者を通じて具体的な検査方法などの詰めを行っている。具体的には、日米間で検査方法を統一したうえで、積み出し港に向けて船が出発する前に検査する。さらに、万全を期すため同じサンプルを日本に空輸して調べる方法や、船が日本に入港した後も再度検査するといった方法が検討されている。
スターリンクは、米国では食品用としては認められていないが、飼料用としては認められているため、食品用に比べて米側の飼料用への対応が遅れる懸念も指摘されていた。農水省は「あくまでも日本では未承認である」(畜産局)ことから、米側に早急な検査体制の確立を求める方針だ。 一年間に日本に輸入されるトウモロコシは食用、飼料用合わせて約千六百六十万トンある。このうち飼料用は約千百六十万トンで、そのうち九五%を米国から輸入している。
《朝日新聞 2000年11月08日より引用》