クローンマウス、6代目も健康 日米共同チームが確認
2000年09月21日
クローンマウスの体細胞からさらにクローンをつくることを重ね、六代目のクローンマウスをつくったところ、健康や行動に問題はなく、細胞の老化も起こっていなかった。若山照彦・米ロックフェラー大助教授らの日米共同チームが確認した。二十一日発行の英科学誌ネイチャーに発表する。クローンを重ねると、羊では細胞老化が進み、牛では進まないという相反する報告があり、新たな議論を呼びそうだ。
細胞は分裂するたびに、染色体の末端にあるテロメアという部分が短くなることが知られ、テロメアの長さが「細胞老化」の目印の一つとなっている。
今回、研究チームが調べたところ、クローンマウスのテロメアは六代目までいっても短くならなかった。研究チームの真貝洋一・京都大助教授は「体細胞の核を移植した卵の中で、テロメアの長さがリセットされるのかもしれない。詳しい仕組みは不明で、議論に決着がついたわけではない」と話している。
《朝日新聞 2000年09月21日より引用》