遺伝子操作後、妊娠に成功 体細胞クローンヤギ
2000年07月13日
体細胞クローンヤギとなる胚(はい)(分割の進んだ卵)を雌の子宮に入れ、妊娠させることに成功したと、農水省畜産試験場(茨城県茎崎町)の徳永智之・発生分化研究室長らのグループが十二日発表した。体細胞には遺伝子操作を加えている。出産は八月上旬の予定。遺伝子操作をした体細胞クローン動物は海外では牛や羊、ヤギで誕生しているが、国内では初めて。動物に医薬品をつくらせたり、優秀な家畜を効率的に生み出したりする技術開発の足がかりとなりそうだ。
クローンヤギづくりに使った体細胞は、成長ホルモン(GH)を分泌する脳の下垂体前葉細胞。この細胞にGHをつくる働きを抑える遺伝子を組み込んだあと、別のヤギの核を除いた卵子に移植した。ある程度分割が進んだ胚の状態になってから、雌ヤギの子宮に入れた。生まれるヤギの遺伝子は、GH抑制遺伝子を除いて体細胞を採取したヤギのものと同じだ。
《朝日新聞 2000年07月13日より引用》