「クローン牛」改め「一卵性双生牛」 玉沢農水相「名称変更を」
1999年10月07日
「クローン牛、という名前はうさん臭い印象を与え、イメージが悪い」。玉沢徳一郎農水相は六日、就任後の個別会見で、試験販売が始まっている受精卵クローン牛について「例えば、一言で言うなら『一卵性双生牛』が正しい。変えた方がいい」と話し、名称の変更を検討していることを明らかにした。
クローンと言えば、英国のクローン羊「ドリー」が有名。国内ではドリーと同じ、親の体細胞から遺伝的に全く同じ子をつくる体細胞クローン牛が生まれているが、市場には出回っていない。
一方の受精卵クローンは、分裂した受精卵をばらし、核を除いた別の卵子に一つずつ移植する技術。表示のないまま市場に出回っていたことが四月に表面化して問題となり、農水省が九月から受精卵クローン牛であることを明示しての販売を試みている。
玉沢農水相は、言葉から受ける印象ほど特殊な技術ではないとし、「食べてくれと勧めるより、『一卵性双生牛』だと一言で言った方がわかってもらえる」。まずは名前からイメチェンを図ろうという狙いらしい。
《朝日新聞 1999年10月07日より引用》