ディーゼル排ガス、妊娠に影響 国立環境研・東大グループが実験
1999年09月15日
ディーゼル車の排ガスに含まれる微粒子(DEP)を妊娠したマウスに与えると流産が多発することが、国立環境研究所や東京大学などの研究チームの実験で明らかになった。高濃度の排ガス微粒子を皮下注射するという負荷の高い条件下での実験だが、ディーゼル排ガスが妊娠に影響を与えることを初めて示した点で注目を集めそうだ。二十八日から津市で始まる大気環境学会で発表される。
実験では、ふつうのマウスに比べて化学物質に対する感受性が四倍ほど高い種類のマウスを使った。交尾をしたメスを計四十五匹育て、妊娠していれば中期になったとみられる時期に、排ガス微粒子を溶かした液を一日おきに三回にわたって注射した。
その結果、与えた微粒子の総量によって妊娠していたマウスの三-七割が流産した。これに対し、微粒子を与えなかったマウスはすべて無事に出産した。ただ、与えた量が少ないほど流産の割合が高くなるなど疑問点も残るため、チームは実験を続けていく考えだ。
《朝日新聞 1999年09月15日より引用》