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脂肪の少ない豚、飼料に汚染なし ベルギー、輸出に力


1999年08月28日

【ブリュッセル27日=冨永格】ダイオキシン汚染騒ぎに泣いたベルギーの養豚界で、ピエトラン種という豚に期待が寄せられている。脂肪がほとんどなく、捨てる部分が少ない。どんな種類の雌との間にも低脂肪の子が生まれるため、種豚として中国や南米への輸出も盛んになってきた。

発祥地は、ブリュッセルから四十キロほど東のピエトラン村。「黒いブチの細い豚」は一九二〇年代から知られていたが、五七年に品種登録され、地元リエージュ大学獣医学部の協力で改良を重ねてきた。種豚を一括管理するピエトラン種振興会によると、背脂の厚みは通常の半分の二センチ以下で、皮の下がすぐ筋肉。頭部や内臓などを除き、重さの八三%が食肉として商品化できる。

種豚は九六年に中国、九七年にはベトナムに輸出された。今年末に南アにも出荷され、来春には日本への売り込みも試みる。

ベルギーでは、ダイオキシン汚染の疑いがある豚肉六万トン以上が廃棄され、七百万頭いる豚は価格維持のため二割削減されることが決まっている。振興会のフェルナンド・ドキール会長は「市況低迷に無縁とは言えないが、汚染と関係のない植物性の飼料を使っているので、外国からの引き合いは以前と変わらない。これからも量より質で勝負したい」と話している。

【写真説明】

種豚として世界に出荷されるピエトラン種=ベルギー・ピエトラン村で、冨永写す

 

《朝日新聞 1999年08月28日より引用》

 

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