黒豚“にせ物”見抜きます 遺伝子チェック法、農水省などが開発
1999年06月16日
「黒豚」人気に乗じて純粋種から白豚との雑種まで食肉市場に出回っているため、純粋種を見分ける手法を農水省畜産試験場(茨城県茎崎町)と社団法人農林水産先端技術産業振興センター(同県つくば市)が共同で開発した。肉に含まれる遺伝子で識別する。これまでは、食肉になってしまうと見分けられなかった。
農水省は九月から純粋バークシャー種の豚肉のみに「黒豚」表示を限定するよう、関係業界に通達している。
研究グループは、第六染色体上にある「MC1-R」遺伝子と第八染色体上にある「C-KIT」遺伝子の二つについての違いを調べ、豚肉の中から純粋なバークシャー種だけを選び出す方法を開発した。調べる量は一ミリグラムですむ。
畜産試験場によると、同種の豚肉は食感がよく、肉の臭みが少ないなどの理由から、黒豚として市場で高い評価を受けている。純粋種は一度に産む子豚の数が八匹前後と比較的少なく、育てるのに時間がかかる。このため、白色種の豚と交雑したものが登場、さらにはバークシャー種とほど遠いものまで黒豚として出回っている。
《朝日新聞 1999年06月16日より引用》