台湾でまた口蹄疫の豚 輸出再開に懸念
1997年12月11日
【香港10日=坂尻信義】十日付の台湾各紙によると、台湾の行政院(内閣)農業委員会は九日までに、台湾北部の新竹県と中部の台中市の計二カ所の養豚場で今月、動物伝染病の口蹄(こうてい)疫に感染している豚が発見されたことを確認した。今年三月の流行で、豚肉の輸出を停止する一方、感染した豚を大量に処分し、養豚農家にワクチンを配布するなどの対策を講じてきた。最近、日本への輸出再開に向けた動きが出ていただけに、当局は衝撃を受けている。
同日付の夕刊紙・中時晩報によると、日本の農林水産省の関係者が先月、現地を調査したあと日本への輸出再開に向けて協議が進められていたという。
○農水省、再開に慎重
農水省は台湾で口蹄疫に感染した豚が新たに見つかったことについて、「輸入再開の協議そのものを打ち切る考えはないが、温度管理などの条件面で、協議は慎重にならざるをえない」(畜産局)としている。台湾産豚肉の輸入は三月から禁止されている。農水省は加熱処理した豚肉に限り、輸入再開に向けて台湾当局と協議を始めたところで、早ければ来春にも輸入再開される見通しだった。
《朝日新聞社asahi.com 1997年12月11日より抜粋》