「クローン人間の作製研究せぬ」 科学技術会議分科会
1997年05月29日
生命科学の今後十年間の基本計画作りを進めている科学技術会議ライフサイエンス基本計画分科会(主査、永井克孝・三菱化学生命科学研究所長)は二十八日、クローン人間を作る研究は差し控えるよう明記した基本計画案をまとめた。
基本計画案は、「人間のクローン個体を作ることは社会的に容認されていないと考えられ、人間の尊厳にかかわる種々の問題を内包している」と指摘、「人間のクローン個体の作製は実施しないこととすべきだ」とした。がん細胞の培養など、個体を生み出さない細胞の培養は禁じていない。
動物のクローン作りについては、「畜産や希少種の保護などで意義があり、情報を公開しながら推進すべきだ」と盛り込んだ。
科学技術会議は首相の諮問機関。
《朝日新聞 1997/05/29より引用》