牛・馬の分娩、模型で学ぶ 帯広畜産大、より実践的に /北海道
2016年01月12日
帯広畜産大(帯広市)でこのほど、牛と馬の分娩(ぶんべん)シミュレーターを使った家畜の産科実習があった。家畜の分娩に立ち会う機会が少ない学生たちに分娩介助を感触で学んでもらうねらいだ。同大によると、国内の獣医学大で初の試みという。
この産科実習をしたのは、共同獣医学課程の4年生36人。産業動物臨床棟の臨床講義室で8日、牛と馬の実物大のシミュレーターを囲み、産道に腕を差し入れて胎児の模型に触れたり、取り外した背中部分から子宮内の胎児の状態を確認したりした。2人がかりで胎児を引き出す分娩介助も体験した。
尾崎彩さん(22)は「分娩介助はイメージするしかなかったが、模型とはいえ感触が実感できた」。担当の南保泰雄教授は「今まではこのような実習ができなかった。新しい教育方法として広まるのではないか」と話した。
同大は国際的基準を満たす獣医師学校の認証取得をめざしており、その一環で分娩シミュレーターを業者に依頼して作った。子宮や産道、胎児などの大きさも実物大だ。今後、胎児の足の可動方向を実物に近づけるなどの改良を重ねていくという。
【写真説明】
牛のシミュレーターを使った産科実習=8日、帯広市の帯広畜産大
《朝日新聞社asahi.com 2016年01月12日より抜粋》