ウシ着てブルッと体調管理 乳牛にウェアラブル、グンゼが開発中
2016年01月08日
グンゼが、乳牛向けの身につけられる機器、ウェアラブル端末の開発を進めている。冷感素材を使った衣服型で、真夏に着せて暑さのストレスで生乳量が落ちるのを減らすのが狙いだ。
名前は「ウシブル」。牛用のウェアラブルと、牛がぶるっとふるえるとの意味をかけた。
肌の熱を奪う力やたまった熱を逃がす力が強い独自の冷感素材「ラディクール」を活用。冷蔵庫で冷やして着用する「冷やしパジャマ」で話題になった素材で、牛の首回りから胴体前方に着せてつかう。センサーでウェアに含まれる水分量などを測り、肌の表面温度などを管理できる。縫製技術などを生かし、激しく動いても脱げにくくした。
開発のきっかけは2014年初夏、同社の創業の地の京都府綾部市にある、農林水産技術センター畜産センターからの相談だった。大型の扇風機で空気を回して牛舎の温度を下げる方法よりもいい対策を探しており、冷感素材を使った共同開発を始めた。
14年夏に試作品で実験した時には効果が出たという。16年夏に着せる頭数を増やして効果や改善点を調べ、17年夏の実用化を目指している。(伊沢友之)
【写真説明】
開発中の「ウシブル」を着用する乳牛=京都府綾部市、グンゼ提供
《朝日新聞社asahi.com 2016年01月08日より抜粋》