20150805

オリーブ夢豚、とこトンPR 搾りかす与え県ブランド化、牛に続きデビュー /香川県


2015年08月05日

オリーブの搾りかすを与えた「オリーブ夢豚(ゆめぶた)」「オリーブ豚(とん)」の売り出しが先月始まった。国内外で高評価を得る「オリーブ牛」に続く県のオリーブブランドの畜産物。4日には高松市で関係者を招いた賞味会を開いた。まずは県内での消費を拡大し、首都圏や京阪神にも売り込みを図るという。

オリーブを活用した豚肉の品質向上の試験が県畜産試験場で始まったのは2010年。オリーブ飼料を与えることで肉の味の変化があったことから、13年からは生産現場でも、それまで廃棄していたオリーブの搾りかすを与える実証試験を始めた。家畜が食べるように、搾りかすを乾燥させる施設が増えたことから、ブランド化が実現した。

麦類を8%以上、オイルを搾った後の果実を乾燥させたものを0・5%以上混ぜた飼料を、出荷前に30日間以上与えた県産豚を「オリーブ豚」とする。バークシャー種の血統が50%以上の豚「讃岐夢豚」に、オリーブ飼料を与えたものには「オリーブ夢豚」の名称をつけることができる。

県によると、オリーブ飼料を与えることで、肉のうまみ、甘み成分が高まることが確認された。なかでも果糖(フルクトース)は1・5倍に増える。さっぱりとした甘みを感じ、臭みのない肉になるという。

先行する「オリーブ牛」は10年に誕生。和牛人気にオリーブの健康的なイメージが付加されて人気を集め、東南アジアやフランスにも輸出するようになった。10年度に3軒で100頭余りだった生産頭数は、14年度には85軒1746頭にまで拡大した。

オリーブ豚は現在、3軒の生産者が手がける。そのひとつ、七星食品の生産部門に40年近く携わった池田員美常務は「地域色が強いブランドで、ヒットすると思う。これから増産していく予定」。4日の賞味会で浜田恵造知事は「オリーブ牛とあわせた販売促進、情報発信に努め、オリーブブランドをますます広めていきたい」と話した。

高松三越の精肉販売店もオリーブ夢豚の販売を始めた。認知度が高まっているオリーブ牛や讃岐夢豚は県外に住む人への贈答用に人気が高いといい、精肉販売店の小山智広店長(38)は「試食会をするなどしてオリーブ夢豚のお客さんを増やしていきたい」と話す。

(石田貴子)

【写真説明】

オリーブ飼料を食べて育つオリーブ夢豚=三木町下高岡の県畜産試験場

4日に開かれたオリーブ夢豚とオリーブ豚の賞味会=高松市木太町

《朝日新聞社asahi.com 2015年08月05日より抜粋》

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