和牛流出 法人罰金3億 新法案概要 悪質行為に刑事罰
2020.02.19
和牛の遺伝資源(精液と受精卵)の海外流出を防ぐため、農林水産省は18日、遺伝資源の不正取得などに刑事罰を科す新法案「家畜遺伝資源不正競争防止法」の概要を決めた。悪質な不正行為者には「懲役10年または罰金1000万円」、法人には「罰金3億円」をそれぞれ上限に、罰則が科せられることになる。
新法の刑事罰は、畜産農家ら和牛の遺伝資源の所有者から、悪質業者らがウソの繁殖地や繁殖方法を持ちかけて不正に取得するなど、悪質な不正行為が対象となる。また、畜産農家らは、譲り渡した遺伝資源が悪用されると事前に察知した場合、譲渡先などが遺伝資源の使用をやめるよう裁判所に差し止めの請求ができる。
一方、日本で開発された果物などの苗木や種が海外に流出することを防ぐため、農水省は18日、種苗法の改正案もまとめた。開発者が新品種を国に登録する際に「国内」などと栽培地域を限定。こうした条件に反して海外に持ち出すなどした悪質な違反者には「懲役10年または罰金1000万円」、法人には「罰金3億円」をそれぞれ上限に罰則を科す。農水省は、二つの法案を3月上旬までに今国会に提出し、成立を目指す。
《読売新聞 2020/02/19より引用》