20141017

デング熱対策に味方 独自の液配合、蚊取り装置が人気


小林直子2014年10月17日09時17分

蚊が媒介する病気、デング熱の国内感染が広がる中、名古屋工業大学の元教授、岩尾憲三さん(65)が開発した蚊取り装置が人気を集めている。独自に配合した液体で蚊をおびき寄せ、3時間で最大500匹の蚊を捕ることができるという。

民間の研究者だった約20年前から、デング熱ウイルスを媒介する蚊「ヒトスジシマカ」などの研究をしてきた。タイ政府からの依頼も受け、蚊取り装置開発の試行錯誤を重ねてきた。

3年前に完成させたのはプラスチック製の黒い三角柱(40センチ×40センチ×40センチ)。横に寝かせて置くと、蚊の目には、犬や猫に見えるという。

そこに、人の汗の成分や、蚊の好む植物のエキスなどを独自に配合した液体を塗った粘着板を張って、屋外に置くと蚊が吸い寄せられる。電気を使わないため、屋外で使いやすい。電気の普及していない東南アジアの山村でも使える。

値段も3千円(税抜き)と抑えることができた。2011年、名工大の支援で立ち上げたベンチャー企業で販売を始めた。顧客は畜産農家が中心だったが、今年8月、デング熱の国内感染が約70年ぶりに確認されると、学校や幼稚園、神社などから問い合わせが殺到。増産しても追いつかず、品切れ状態になっているという。

厚生労働省によると、10月15日現在、国内感染は18都道府県の計159人。担当者は「気温が下がったものの、10月いっぱいは蚊に刺されないよう注意してほしい」と呼びかけている。

装置の問い合わせは、名工大広報室(052・735・5322)へ。(小林直子)

 

《朝日新聞社asahi.com 2014年10月17日より抜粋》

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です