20140506

牛・豚肉、米国が関税容認 TPP、セーフガード焦点


2014年05月06日

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の日米協議で、焦点となっている日本の牛肉と豚肉の輸入関税について、原則撤廃を主張してきた米国が態度を軟化させ、関税を残すことを認める考えを示していることが日本政府関係者の話で分かった。連休明けから再開する日米実務者協議で妥協案を詰めるが、輸入が急増した際の輸入制限措置「セーフガード」の導入が焦点となりそうだ。

これまでの日米協議で、日本側は牛肉について、豪州との経済連携協定(EPA)でまとまった20%前後、豚肉については、安い豚肉ほど高い関税をかける「差額関税制度」の維持を主張。一方、米国側は原則として牛肉の関税ゼロと同制度の撤廃を求め、対立してきた。

4月下旬までに甘利明TPP相とフロマン米通商代表部(USTR)代表が協議した結果、関税の引き下げ幅や期間、セーフガードを発動する基準などを組み合わせて歩み寄りを目指すことで一致。日本政府関係者によると、現在38・5%の牛肉の関税率については1ケタ台に、豚肉は同制度を維持したうえで、最も安い価格帯の関税額を1キロ482円から数十円に引き下げる案も議論されているという。

米国側は関税撤廃に固執しない考えに転じたとはいえ、大幅な関税の引き下げであることに変わりはなく、日米が一致できるかは流動的だ。日本側は、輸入増で国内の畜産業が打撃を受けることを警戒し、セーフガードの導入で歯止めをかけたい考えだが、米国側は難色を示している。甘利氏は5日、羽田空港で記者団に対し「最終的な数字は決着していない」と述べた。

《朝日新聞社asahi.com 2014年05月06日より引用》

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