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冷凍牛肉関税、18年目半減 日豪EPA、大筋合意


2014年04月08日

安倍晋三首相は7日、豪州のアボット首相と東京・元赤坂の迎賓館で会談し、両国間の経済連携協定(EPA)交渉で大筋合意した。日本の牛肉関税(現在38・5%)は、外食産業向けの冷凍肉を協定発効後18年目に19・5%へ半減。店頭向けが多い冷蔵肉は15年目に23・5%に、いずれも段階的に引き下げる。豪州産ワインも7年目に関税をゼロにする。▼3面=米にらみ協調、4面=防衛技術協力で一致、7面=競争激化、16面=社説、38面=「未来描けない」

日本の消費者は豪産牛肉を安く買えるようになる一方、国内畜産業は影響を受けかねない。日本政府は収入減を補うなどの支援策を検討する。両国は安倍首相が豪州を訪れる夏に協定に署名し、早ければ来年の発効をめざす方針だ。

牛肉については、日本側は豪州の要求を受け入れ、冷凍肉の関税水準を半分に減らし、1年目に冷凍で8%分、冷蔵で6%分の関税を一気に減らすことになった。冷蔵肉はスーパーなどで売られ、国産牛肉の一部と競合しているため、引き下げ幅を圧縮。豪州から低関税で輸入する量も増やすが、上限を超えると、超過分は関税を元に戻す「セーフガード」も導入。国産牛肉の販売量が急減しないように歯止めを設けた。

牛肉以外では日本で需要が拡大しているチーズの低関税枠の大幅拡大で一致。豪州産のワインには現在、15%もしくは1リットルあたり125円のどちらか低いほうの関税がかけられているが、7年目に撤廃する。豪州産のコメの関税は撤廃の対象外とした。豪州は日本製の中小型のガソリン車にかけている関税5%を協定発効後すぐに撤廃。大型車も3年目で関税を撤廃する。

環太平洋経済連携協定(TPP)でも日本が米国産牛肉の関税を下げるかが大きな焦点になっている。豪州産の関税引き下げが大筋合意に達したことで、交渉が難航している米国とのTPP関税協議にも弾みがつく可能性がある。(村山祐介)

■日豪首脳会談合意内容(骨子)
・日本は現在38・5%の牛肉関税を、冷凍肉は協定発効後18年目に19・5%、冷蔵肉は15年目に23・5%に段階的に引き下げる
・牛肉輸入量が一定水準を超えると関税が元に戻るセーフガードの導入
・豪州は中小型の日本車への関税5%を即時撤廃

 

《朝日新聞社asahi.com 2014年04月08日より引用》

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