20130716

卵子提供受けた出産、7割で母子に重い症状 厚労省研究班


2013年07月16日

この4年間で、卵子提供を受けた出産の7割で、妊娠高血圧症候群など母子への重い健康影響があった。厚生労働省研究班の調べでわかった。高齢妊娠や受精卵を排除する免疫反応の影響が考えられるといい、「極めてリスクが高い」と注意を呼びかけている。

竹下俊行日本医科大教授らは昨年11~12月、高齢出産を扱うことが多い大学病院など302施設に、2009年以降の卵子提供による妊娠・出産についてアンケートした。163施設(54%)から回答を得た。

卵子提供による出産は4年間で117件あり、流産は5件だった。このうち93件は海外で提供を受けていた。母親の年齢は28~58歳で平均45歳。

出産までの経過が分かった100件のうち、重い健康影響を伴うものは68件(68%)にのぼった。具体的な影響を複数回答で聞くと、脳出血などの危険が高まる妊娠高血圧症候群が27件、切迫早産22件、出産後も胎盤がはがれない癒着胎盤が9件、大量出血の危険がある前置胎盤が8件だった。生まれた子どもの体重が2500グラム未満の低出生体重児も44件あった。

遺伝的なつながりがない受精卵を異物とみなして攻撃する免疫反応や双子が多いことなどの影響が考えられるという。竹下さんは「出産に伴う出血も一般のお産より多い傾向がある。極めてリスクが高く、注意が必要だ」と話している。

結果は15日、横浜市で開かれている日本周産期・新生児医学会で発表された。

(下司佳代子)

《朝日新聞社asahi.com 2013年07月16日より引用》

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