共同獣医学部が国際認証 山大と鹿大 「EAEVE」アジアで初=山口
2020年01月10日
山口大と鹿児島大の「共同獣医学部」がアジア地域の大学では初めて、欧州獣医学教育機関協会(EAEVE)の国際認証を取得した。世界水準を満たす獣医学教育として認められたことになり、山口大は「アジアの獣医学教育の発展に貢献したい」としている。
山口大はペットなどの小型動物のがん治療に定評があり、重篤な動物を受け入れる「動物医療センター」を持つ。鹿児島大は畜産動物の臨床が強みだ。
両大はそれぞれの得意分野を補完し合うことで質の高い教育につなげようと、2012年に共同獣医学部を開設。共通のカリキュラムを展開し、両大をインターネット回線でつないだ遠隔授業を実施している。
山口大によると、獣医師は鳥インフルエンザなど世界的に流行する感染症対策や、輸出入の際の食品の安全対策などで、国際的な役割が増している。認証を取得することで、大学の国際的な信用度を高め、学生の活躍の幅を広げるのが狙い。
認証取得には、カリキュラムや施設などで一定の基準を満たす必要がある。山口大は同センターでの臨床実習を強化し、馬などの大型動物に対応する診療室などを整備。昨年6月の審査を経て、同12月11日の会議で承認された。北海道大と帯広畜産大の「共同獣医学課程」も同日、取得した。
山口大共同獣医学部の佐藤晃一学部長は「認証取得はスタートライン。世界トップレベルの大学と関わりを持って、我々の教育や研究をアップグレードし、世界で戦える大学にしたい」と話している。
《読売新聞 2020年01月10日より引用》