青森県産黒毛和牛のエース種牛に「優福栄」
2012年04月06日00時35分
青森県は、県産黒毛和牛のエース種牛となる県基幹種雄牛に「優福栄(ゆうふくさかえ)」を選んだ。2002年以降審査されたエース候補の種牛40頭から合格する牛はなかなか現れなかったが、優福栄は子牛の肉質の安定感が歴代トップになり、新エースに選ばれた。
県には、全国のコンクールでチャンピオンとなる子牛を相次ぎ誕生させた「東の横綱種牛」(県畜産課)の第1花国(はなくに)がいたが、09年に没。直近では第1花国の子の第2花国が県唯一の県基幹種雄牛だったが、県内に多い花国系の雌牛との掛け合わせには近親交配の問題があり、花国系でない優福栄は待望のエース種牛となる。
県によると、優福栄の子牛23頭の評価を調べたところ、肉質が最上の5等級か4等級となった子牛の割合を示す上物率が91%で、候補種牛40頭の平均43%を大きく上回り、歴代1位。特に第1花国系の雌牛との相性がいいという。
「サシ」と呼ばれる霜降りが入る「脂肪交雑」が歴代3位、枝肉重量も同5位となり、安定感も評価された。
優福栄は5歳で、つがる市の県産業技術センター畜産研究所で第2花国とともに飼育中。今後は県内にいる繁殖用の雌牛1万3千頭向けの中核種牛として精子が使われるという。県畜産課は「伝説にもなった第1花国に並ぶようなエース種牛になってほしい」と期待している。
《朝日新聞社asahi.com 2012年04月06日より引用》