汚染わら食べた牛すべて買い取り 農水省、3500頭
2011年08月06日0時2分
放射性セシウムに汚染された稲わらを食べた牛の肉が流通した問題で、農林水産省は5日、畜産農家や流通業者などに対する支援策を発表した。汚染わらを食べた17道県産の約3500頭の肉については流通在庫をすべて買い上げるなどの内容となっている。 見込んでいる費用は総額約860億円で、国産牛肉の在庫約1万3千トンを買い上げ処分した2001年のBSE(牛海綿状脳症)の約300億円を大きく上回る。ただ、今回は「立て替え払い」との考えで、国は、出荷できた牛の販売収入や東京電力による賠償があった後には返還を求める予定だ。 農水省は福島県産牛が出荷停止になった7月下旬、セシウムの濃度が国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超えた肉だけを買い上げる「緊急対策」を打ち出したが、産地や業界団体からは拡充を求める声が相次いでいた。出荷停止の範囲が宮城、岩手、栃木の3県に広がったことから、「新たな対策が必要」(鹿野道彦農水相)と判断した。
《朝日新聞社asahi.com 2011年08月06日より引用》