えさわら汚染牛、基準値以下も買い取り 農水省調整
2011年07月26日3時1分
放射性セシウムに汚染された稲わらを食べた牛の肉が流通している問題で、農林水産省は、わらを食べた牛の肉のうち、セシウムの検出量が国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を下回ったものも買い取りの対象とする方向で最終調整に入った。すでに基準値を超えた肉を買い取る方針は固めており、対象範囲を広げる。
汚染の疑いがある肉が流通していることから、こうした肉も買い上げる方針を示すことで、肉を持っている消費者や業者らが積極的に申請してくれることに期待する狙いがある。これまで汚染が確認された肉に加え、今後、と畜場で解体され、検査で基準値を超えた牛肉も買い取る。
業界団体を通じて買い取って焼却処分などを行い、かかった総額は東京電力に賠償を求める方式で進める。国は業界団体を支援する。2001年のBSE(牛海綿状脳症)のときも発生前の流通在庫を業界団体を通じて国が買い取る形となったのと同じ構図だ。
現在、汚染が確認された牛肉と、汚染されている疑いがある牛肉で2千頭を超える。農水省は1頭あたり70万~80万円として、10億~20億円と見込んでいる。
《朝日新聞社asahi.com 2011年07月26日より引用》